透析をずっとしていると、副甲状腺に異常が出ることがあるのでしょうか?
また、それはどうしてですか?
二次性副甲状腺機能亢進症(にじせいふくこうじょうせんきのうこうしんしょう)といいます。
腎不全患者さんや透析をされている方に多い合併症です。仕組みは複雑なのですが、
①腎不全になると、腎臓でビタミンD3が活性化されなくなる。
②活性型ビタミンD3が不足すると、腸から吸収されるカルシウムが減って、血液中のカルシウムが減る。
③カルシウムとリンはバランスを取り合っていて、血液中のカルシウムが減るとリンが高くなる。
④バランスを取るために血液中のカルシウムを補おうとして、骨からカルシウムを取り出す作用を持つ
副甲状腺ホルモンの分泌が亢進する。
さらに透析をされている方の場合、尿が出ないため、尿からのリンの排泄も低下していて、
ますます血液中のリンが高くなって、ますますカルシウムが足りなくなって、ますます副甲状腺ホルモンの
分泌が盛んになります。
それにより、どんどん骨からカルシウムが取り出されて、骨がもろくなって骨折したり、関節炎になったり、
血液中のカルシウムとリンが多くなりすぎて、血管や内臓に骨のようなカルシウムが沈着したりします。
治療としては
ビタミンD3の注射や内服
機能亢進して腫れた副甲状腺を手術で切り取る
リンの少ない食事、リンを吸着する薬の服用
などがあります。
長い目で見たコントロールが必要です。
もし質問者さんが透析をされている方やその身内の方なら、ぜひ透析施設のスタッフに
質問してみてくださいね。
透析患者の二次性副甲状腺機能亢進症の成り立ち
① 腎臓が機能不全(腎不全)になると、ビタミンD3 を活性化させることが出来なくなります。
② 活性型ビタミンD3 が不足すると、腸管から吸収されるカルシウムが減少し低カルシウム血症・高リン血症になります。
③ 血中のカルシウムを補うために、骨からカルシウムを血中に動員する作用を持つ副甲状腺ホルモンの分泌が亢進(副甲状腺機能亢進)します。
④ 透析患者は腎機能が低下している為、リンの排泄能力も低下しており血中のリンが高値となりやすく副甲状腺の機能亢進を促進させてしまいます。
⑤ 骨からカルシウムを血液中に放出する為、カルシウムが骨以外の場所に沈着し異所性石灰化が起こります。
①~⑤までの行程が繰り返し起こります。
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