ビタミンDの小腸でのカルシウム吸収促進機構について教えてください。
少し調べてみましたが、まともな解説は見当たりません。
医学文献データベース PubMed で、キーワードを "VDR intestine" として調べると、243件ヒットしました。
そのうち Review のタイトルを見て行くと、"Renal and intestinal calcium transport: roles of vitamin D and vitamin D-dependent calcium binding proteins" という総説が見付かりました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8177979
Semin Nephrol. 1994 Mar;14(2):119-28.
Renal and intestinal calcium transport: roles of vitamin D and vitamin D-dependent calcium binding proteins.
Johnson JA, Kumar R.
この総説のモデルによると、ビタミンD(活性型の 1,25(OH)2D3)によるカルシウム吸収促進機構は以下のようになります。
1,25(OH)2D3 により、腸管上皮細胞の刷子縁にあるカルシウムチャンネルが開く
↓
腸管内腔から腸管上皮細胞へカルシウムが流入
↓
1,25(OH)2D3 により、腸管上皮細胞内で CaBP-D9k/28k タンパク質が作られる
↓
腸管上皮細胞内のカルシウムは、CaBP-D9k/28k タンパク質に結合
↓
1,25(OH)2D3 により、腸管上皮細胞の基底膜にある PMCA の密度が上がるとともに、PMCA のカルシウムくみ出し能が上昇
↓
腸管上皮細胞内のカルシウムは血液へ流出
このモデルは現在でも、少なくとも否定されてはいないようです。
なお、ビタミンDレセプター (VDR) ノックアウトマウスの研究の結果、VDR が腸管におけるカルシウム吸収促進に直接関与することがわかりましたが、この知見は上記モデルと矛盾しません。
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